伝書鳩 2017 3 25

 あれは、イラク戦争の頃だったと思います。
ですから、2003年か2004年だったと思います。
 当時は、戦争という世相を反映して、
監視社会や盗聴という話が盛り上がりました。
 現代社会は、ハイテクに頼りすぎているうえに、
電子メールどころか、電話やファックスまでも盗聴されてしまう。
そういう映画も作られました。
 だから、こういう盗聴を防ぐには、どうしたよいのか。
そういう話になって、いろいろなアイデアが登場しましたが、
結局、電子を使う以上、盗聴を防ぐことはできないということになりました。
 そこで、私は、ハイテク時代だからこそ、
通信手段に「伝書鳩」を使えば、機密保持ができると話したものでした。
 あれから、10年以上経過しました。
盗聴、いや言葉が悪いので、情報収集システムと言いますが、
そういうシステムは、高度な発達を遂げたと思います。
 2003年当時ですら、電子を使うものは、
「すべて聞かれている」と認識すべきだという結論でした。
むしろ、それを逆手にとって、「偽情報を流して相手を混乱させる方法がある」と言う識者もいれば、
「量子暗号システムを完成させる」と言う科学者もいました。
 あれから、13年いや14年も経過しました。
今、アメリカでは、「盗聴された。いや盗聴されていない」というニュースで盛り上がっていますが、
ずいぶんと「時差」があるものだと、実に、懐かしく思いました。
 まるでタイムマシンで13年も過去に遡ったような気分です。
このように、時計で計る時間は、同じでも、
全員が同じ時代を生きているとは限らないのです。
















































































































トップページへ戻る